企業ドメインと事業ドメインの違い

こんにちは。ともです。

今回は企業ドメインと事業ドメインの違いです。

そもそもですが、ドメインとは?

ひとことでは「事業領域」です。

事業領域とは、企業が「どのような領域を対象に事業活動をしていくか」

つまりは、「自社の戦う場所」、いわば企業の生存領域のことであり、それを明確化、言語化するための概念です。(以下、事業領域=ドメインとして統一します)

事業ドメインの定義をかみ砕いて理解するには、「エーベルの3次元」が有用です。

「① 市場・顧客(誰に)」
「② 企業が果たすべき機能(何を)」
「③ 企業が持つ技術・能力(どのように)」

以上、3つの切り口によって事業ドメインは具体化、言語化できます。

さて、はじめは単一の事業をしていた企業も、市場機会との遭遇や自社経営資源活用のため、ドメインを複数化していく場合があります。

このように、異なる複数の「自社の戦う場所」が生まれた場合、それぞれの場所において競争力を最大限に発揮するため、事業ごとにその活動の方向性を明確化する必要が生じます。

1つの企業が、複数のドメインで、それぞれの方向性で事業を展開しながら成長拡大していくにあたり、1+1が2になるのは当然のこととして、願わくは、その単純計算以上の成果を期待したいところです。また、いうまでもなく、複数化により、かえって今までよりもパフォーマンスや企業価値が低下したのでは意味がありません。

そこで、複数化させたドメインを、企業の思惑通り有機的に運営し、より高いパフォーマンスを生み出し、その価値を高めるために、あえて定義するのが「企業ドメイン」です。

そして、「企業ドメイン」を 上位概念 として定義したことにより、区別するため定義するのが、下位概念 としての「事業ドメイン」です。

この流れは「ドメインの再定義」のひとつです。

企業ドメインと事業ドメインの違いをまとめます。

■ 企業ドメイン
展開する事業(多角化)の範囲や、組み合わせ(事業ポートフォリオ)、アイデンティティ(同一性)を決めるもの。

■ 事業ドメイン
個別事業ごとの範囲(自社の戦う場所)を決めるもの。

なお、単一事業(多角化していない)の企業においては、企業ドメイン=事業ドメインとなります。

まとめです。

中小企業診断士試験企業・事業ドメイン


中小企業診断士 1次試験 企業経営理論 (令和元年)

第1問
  多角化して複数の事業を営む企業の企業ドメインと事業ドメインの決定に関する記述として、最も適切なものはどれか。

【 正解の選択肢 】
ア 企業ドメインの決定は、個々の事業の定義を足し合わせるのではなく、外部の利害関係者との間のさまざまな相互作用の範囲を反映し、事業の定義を見直す契機となる。

【 解説 】
  企業ドメインは上位概念であり、そのドメインの決定に際しては、主に外部の利害関係者(企業全体の価値に関心を持つ株主、債権者など)の相互作用を考慮した上で形造られる(全社利益の最大化)。
  一方、下位概念である個々の事業ドメインは、主に企業内部の当該事業関係者の相互作用によって形造られる。
  企業ドメインの決定に際しては、全社最適を考慮すべきであるから、個々の事業(ドメイン)の定義も見直しが行われる(契機となる)。



SLAは、中小企業診断士2次試験に特化した受験指導機関です

令和元年度2次試験 合格率46.2%
合格者数と教室風景


 SLA  合格ゼミナール は 中小企業診断士2次試験対策講座。少人数ゼミ形式・スピード添削・講師との直接対話・良質な復習課題による実力アップ、そして合格実績が豊富なこと。平成27年度 第1期生は 全員合格を達成 しました! 今後も多くの方に合格の喜びを手にして頂くため講師一同日々一丸となって取り組んで参ります。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です