再現答案評価の基準をお伝えします。

SLAで再現答案を評価するときの基準をわかりやすい例でお伝えします。

【 設例 】
30度中小企業診断士 2次試験 事例Ⅲ


第1問(配点20点)
 顧客企業の生産工場の海外移転などの経営環境にあっても、C社の業績は維持されてきた。その理由を80字以内で述べよ。


解答の論点 ① = 金型設計・製作部門の新設
(それにより成形加工まで対応できる体制を社内に構築したこと)

多くの方が答えるベーシックな論点

→こちらが書ければ、配点の30%前後


解答の論点 ② = 技術力の強化
(そのために技能士などの資格取得者養成とOJTによるスキルアップ)

→論点 ①とあわせて書ければ配点の50%前後

なお、論点 ① と② は「社内での施策」です。


解答の論点 ③ = 工業団地組合が中心となり助け合い、C社はその活動のリーダー的存在であったこと

この論点は「社外との施策」です。

→社内( ①+② )と社外( ③ )あわせて書ければ、60%前後


さらに加えて書きたい論点は?

解答の論点 ④ = 「顧客企業の動向」に「対応した」こと

ここにいう「顧客企業の動向」は、設問の「顧客企業の生産工場の海外移転などの経営環境」を表しています。

そして、「対応した」は、先ほどの論点 ① + ② + ③(=社内+社外の施策)です。

つまりC社は「顧客企業の動向に合わせる」という戦略( = ④ )を立案し、社内・社外の施策( = ① ~ ③ )で具体化してきたということになります。

→ここまであわせて70%前後


解答の論点 ⑤ = 高度な成形技術を顧客企業に提供してきたこと。

設問で「C社の業績は維持されてきた。その理由を」と問われています。
 
すでに ご説明した ① ~ ④ (戦略の立案とその施策)も、顧客企業に提供できてはじめて「業績の維持」に結びつきます。

よって、「業績が維持されてきた理由」に対する解答としては、「顧客企業に自社の高度な技術を提供できた」点まで言及すると因果関係(理由)がはっきり伝えられます。

→ここまで書ければ80%前後


上記論点をまとめたSLAの解答例は下記の通りです。

理由は、① 社内では金型設計・製作部門の新設と技術力の強化、② 社外では工業団地組合における主導と協働により、高度な成形技術を顧客企業の動向に応じて提供してきたから。(80字)


なお、上記解答例のうち、与件にある「リーダー的存在」は「主導」という表現でまとめています。

工業団地組合での「助け合い」=「相互扶助」=「協働」と表現しています。


以上のように採点をしています。

なお、答案評価の際は、設問ごとに、80%を超える高得点をつけることはあまり多くありません。同時に、マス目を埋めていれば20点以下をつけることも少ないです。試験委員の手もとにある正解が公表されていないことと現実の80分でできることには限りがあるからです。


こうして一旦設問ごとに採点し、各設問の得点を合計して1事例の得点を算出し、そして4事例の合計まで測ります。

ただ、実際に試験委員の求めていることすべてを正確に把握することは難しく、また、文章のわかりやすさや論理性などは、読んでみないとわからない部分もあり、ABCDという定量的な基準は使用せず、応募して頂いた方の答案について、簡易ではございますが、評価をコメントさせて頂いております。


なお、以下は解答例作成にともなう補足です。

(補足1)

第1問の解答に、8段落目の(インサート成形の習得と事業化)の論点まで入れるべきかどうかについては検討の余地があります。
また、5段落目の「材料歩留り向上や成形速度の改善など、顧客企業の成形加工品のコスト低減のノウハウを蓄積することができた」についても同じく答案要素として考えられます。

上記SLAの解答例でそれらの論点を第1問に入れていないのは、第5問の「付加価値を高めるため」という問いに対して使用するためですが、お送り頂いた再現答案で、それらの論点を第1問に入れられても適宜加算しております。

(補足2)
その他、一貫生産体制、技術的優位性、売上や利益の確保、など、妥当性のあるキーワードを第1問に入れられた場合も適宜加点しています。


 

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