カテゴリー・ミステイク!!【 構文 】のつくり方(4)
前回までに、「現状分析+戦略」という 構文 を説明しましたが、 今回は注意点として「 現状分析 + 戦略 」の構文を含め、 論理的な文章を展開する上で気を付けておきたい カテゴリー・ミステイク について考えます。
耳慣れない言葉でちょっとわかりにくいかもしれないので よろしければ下記の私とあなたの会話形式を例に感じ取ってみてください。
さて、本題に戻りましょう。
次の文章 「 SNSは高齢者本人に伝わらないので情報発信を強化すべきである 」 という記述の 「SNSは高齢者本人に伝わらない」は「現状分析」であり 「情報発信を強化すべきである」は「戦略」です。
一見正しそうですか何か違和感がありませんか。
違和感の正体は、 「情報発信」が「SNSを含んだ概念」だということです。
SNS * は情報発信の1つのツールですが 情報発信の種類には他にももっといろいろあります。( 列挙します )
TV・ラジオ、パブリシティ、店頭看板、店内POP、パンフレット、新聞・雑誌、折り込みチラシ、DM送付、口コミ、知人紹介制度、近所の回覧板、サンドイッチマン、ちんどん屋、SOSのモールス信号(?)・・・
* (SNS:ブログ・Facebook・Twitter・LINE、メールマガジン・・・)
つまり、 SNSという下位概念の施策が高齢者本人に伝わらない という「 現状 」を改善するプロモーション戦略として( SNSもひっくるめた上位概念の )情報発信を( まるごと )強化する と言ってしまっているところに違和感の正体があるのです。
次の文章はどうでしょうか。 「 Twitterは高齢者本人に伝わらないのでSNSはやめる 」
そんな短絡的な・・・ この場合、SNSを1つのカテゴリーとするなら Twitterはその中のサブカテゴリーの一つにすぎません。
Twitterがダメでも他のサブカテゴリーなら 例えばブログとかメールマガジンはいけるかもしれません。
このように、論理展開の中でカテゴリーの選択を誤ると 因果関係が破たんします。
こうした誤りを カテゴリー・ミステイク といいます。
現状を分析したなら、分析した現状にフィットした 戦略(オプション)を選択・提案しなければなりません。
ここでは、「 現状分析と戦略 」をそれぞれ 「 情報発信 」というカテゴリーのなかにきちんと収めて提案します。
SNSが高齢者本人に伝わらない現状をなんとかしたいB社は、 SNSというサブカテゴリーがだめだったとしても 同じ情報発信というカテゴリーの中の別のサブカテゴリーには まだ挑戦することができます。
ここではB社がとるべき(コミュニケーション)戦略として パンフレット、口コミ、家族を通じた情報提供などはいかがでしょうか。