2次試験にも関連の深い科目「企業経営理論」について
はじめまして。 本日よりブログを担当することになりました講師の ”とも” です。 試験勉強のお役に立てそうな情報やその他日々気づいたことを、このブログを通じて発信していきたいと思っています。どうぞ宜しくお願いいたします。 今回は、2次試験にも関連の深い科目である「企業経営理論」について、 「まだ学習したことがない」あるいは 「どうも苦手」 「もう少し強化したい」 という方向けにお伝えします。 まずは、実際に出題された過去問を見てみます。 平成27年度 1次本試験
いかがですか 難しそう? おもしろそう? ドメインっていったいなんだ? 企業ドメインと、事業ドメインとかまるで初耳だな? でもそれ以外は日本語で何とかなりそうだ・・・
この問題、難しそうに見えるようですがこれでも比較的オーソドックスな出題です。 企業経営理論の本試験問題は、難解かつ長い日本語の設問・選択肢が特徴的です。「何を言っているのかわからない不自然な日本語」で書かれた設問・選択肢も少なくありません。 「言葉の定義」が耳慣れないだけでなく、「長文」ゆえに意味が理解できず、それらが合わさって企業経営理論に対して苦手意識を持たれる方も多いようです。 「長文」ゆえに難しいということが「言葉の定義」を吟味する妨げになるのを避けるため、上記のような長文はまず最初に(既にそうされている方もいるかと思いますが)「各選択肢のワードをある程度のかたまりで「スラッシュ」を入れて区切る」ようにします。 以下のような感じです。
ア 企業ドメインの決定は、/ 現在の活動領域や製品・事業分野との関連性とともに、/ 将来の企業のあるべき姿を包含して/ 経営理念を反映している。 イ 企業ドメインの決定は、/ 全社戦略策定の第一歩として/ 自社の存続のために/ 外部の多様な利害関係者との間の様々な相互作用の範囲を反映している。 ウ 企業ドメインの決定は、/ 多角化した企業において/ 個々の事業の定義を足し合わせることではなく、/ 企業ドメインに合わせて/ 事業の定義を見直すことが重要である。 エ 事業ドメインの決定は、/ 将来の事業領域の範囲をどう定義するかについて、/ 企業が自らの相互作用の対象として選択した/ 事業ポートフォリオの決定であり、/ 特定の市場での競争戦略に影響を受ける。 オ 事業ドメインの決定は、/ 日常的なオペレーションがルーティン化していたとしても、/ 競争優位を持続するためには必要である。
これで、何もしないのとくらべて大分検討しやすくなります。
そしてスラッシュで区切った後の考え方の手順は、 1. 選択肢が「企業ドメイングループ(選択肢ア~ウ)」と「事業ドメイングループ(選択肢エ、オ)」とに分けられることを認識する。 2. 「企業ドメイングループ」は企業ドメインの観点から、「事業ドメイングループ」は事業ドメインの観点からスラッシュ単位で正誤判定する。
「スラッシュ」は本試験の場でもそのまま活用できますので日頃からやり方にも慣れて(手順の標準化)、効率よくすすめて頂けると幸いです。
ちなみに解答(誤っている選択肢)はエです。 選択肢文「事業ポートフォリオの決定」が誤りで、事業ポートフォリオを規定するのは事業ドメインではなく、企業ドメインだということです。 企業ドメインと事業ドメインの定義の範囲を置き替えて誤った選択肢とする方法は、一次試験の過去問でもよくある出題パターンです。テキストなどをめくると解説されているかもしれませんが、次回はこの「企業ドメインと事業ドメイン」の違いについて考えてみたいと思います。 そして最終的には今年の2次試験事例ⅠのA社が「関連会社を設立して移管した」(第2問より)と関連付けてさらに深めていきたいと思います。