あきらめないで! 1次試験
こんにちは 中小企業診断士1次試験の申込者数と実際の受験者数の大きな差をご存じですか。 ここでは、棄権・途中棄権を合せて仮に「未受験者」と表すことにします。 平成26年度の「未受験率」は過去10年で最高でした。 なんと出願者のうち3割近くにのぼります(29.3%)。 未受験者(5,733人)=受験前棄権(3,314人)+当日途中棄権(2,419人) 未受験率(29.3%)=未受験者数(5,733人)÷ 出願者数(19,538人) 「 出願者 」とは、1次試験を受けるべく5月頃に13,000円也の受験手数料を支払い申込みを行った方であり、ここでいう「 未受験者 」とは、その出願者のうち8月上旬に行われる試験の日に会場に行かない、もしくは1科目でも出願した科目を受験しなかった(つまりは何らかの理由・事由により途中で棄権した)方の比率です。
過程を追って数字を説明すると次のとおりです。 19,538名の方が1次試験を申込み うち、3,314名の方(割合にして17%)は、8月9日・10日の1次試験会場に足を運ばず。 残る16,224人(83%)が試験会場に行って1科目以上受験。 うち、2,419名(≒12%)は途中で合格を断念して帰ってしまった。 最終的に予定通り出願した科目をすべて受験した方は13,805人。 この13,805人は当初受験手数料を支払った19,538名からみると70.7%の人数であり、裏を返せば29.3%(5,733人)の方は何らかの理由でせっかく申し込んだにもかかわらず、受験権利のある科目をすべては受験せずに終わった。 参考に最後まで受験した13,805人のうち合格した方の数は3,207人、不合格に終わった方の数は10,598名。つまり最後まで受験した方のうち23.2%が合格。 ところで、「未受験」に至る1つめの過程は、出願したけれども試験会場に足を運ばなかった。つまりはここにいう「棄権」です。 なぜ棄権をしたのか。5月頃(平成26年6月3日消印有効)に1次試験の申し込みをした時は合格するつもりでいた。推測するに7月頃実施される予備校の模擬試験を受けてみて、あるいは模擬試験のあるような時期に来て、過去問等本試験レベルの問題を解いてみて、あと1ヵ月では合格できそうにないとあきらめて受験は見送ったという方が多いのではないでしょうか。もし8月の試験ぎりぎりまで勉強していたのなら棄権する理由は見あたりません。 つまり、「あと1ヵ月くらいを残して合格する力をつけるのは無理である」と7月のちょうど今頃判断した、ということです。
もし今そうしたことで迷っている方がいらっしゃいましたら、月並みながら「あきらめないで」とアドバイスをします。弊社の受講生をはじめ多くの受験生で、「1次模試を受けたときにはだめだと思えたけれど、ほんとぎりぎりで1次本試験は受かりました。」という方にお会いします。おそらく合格ラインぎりぎりのところに多くの受験生がひしめいていて、その方たちも模試のとき「厳しい」もしくは「無理」といった成績であった。一方、今頃の模試で「大丈夫」となっている方は1次本試験は420点を大きく上回って合格していく。けれどもそうしたか→は分布からすると少数派でしょう。受かるのが目的ですからおつりがくるほど勉強するくらいなら2次試験対策をした方が良いです。 それから、「棄権」を選択するもう一つの理由は、1次試験の模試や過去問等本試験レベルの問題に手を焼いて、「 こんな状態では合格者が集まる2次試験ではとても勝ち目がない 」と次のステップに思いをはせて悲観してしまうからではないでしょうか。 けれども私はもそうとは限らないと考えています。 2次試験と1次試験では、そもそも求められるあるいは試されるスキル・能力が違います。だから1次試験で苦労しているからといって2次試験で歯が立たないという因果はありません。それはここで講座をやっていて実感します。
さて、2つめの過程。昨年8月9日・10日に行われた1次試験会場に行くには行ったけれども途中で棄権した方です。 おそらく初日1時限目の経済学、続く財務会計あたりの得意・不得意がはっきりしがちな科目(足切りになりやすい科目)で、当日予備校から配信される解答速報などを見て40点以下を確信し「やめた」となるパターンでしょう。 そうならないためには、やはり不得意科目は最低点が取れるよう欲張らず基本的な問題だけでもしっかり繰り返して理解しておくなどの対策は必要です。けれどももうひとつ。初日が終わったら、自己採点とかしないで翌日の科目の最終確認とか、1点でも多くとれるように勉強すべきでしょう。言い聞かせるのです。「初日は受かった!」「初日は足切りなし!」ポジティブ思考です。終わった初日の科目の自己採点をして何が未来に役立つでしょう。先ほども申しあげたように合格ラインに1点刻みでひしめき合う試験ですから、その1点が大事なのです。 それに最後までベストを尽くすと、もし今年ダメでも来年また頑張る自分への励ましになります。励ましなんていう掛け声だけでなく、頑張って真剣に臨むその受験科目に費やす60分あるいは90分の集中した取り組みは、普段勉強している同じ時間の消費と比べてはるかに大きく実力を高めてくれるものです。 だから、試験にせっかく申し込んだならかならず当日試験会場に行って試験を受け、さらに初日は、翌日の途中棄権という退路をみずから立つべく自己採点などせずに、過ぎたことはさらっと忘れて明日に臨むのが better な選択なのです。 童話にそんなお話があったような。 「 後ろをみちゃダメ! みたら魔物につかまってしまうよ 」