【 構文 】のつくり方(10)アトリエレシピ [ 戦略のオプション ]

 

【 構文 】のつくり方 シリーズも既に10回目になりました。 「 思えば遠くに来たもんだ 」 by Chuya Nakahara いろいろよりみちしていますがここから読んでも大丈夫です。

平成26年事例Ⅱ 第2問 (説明のためいつもどおり設問を再掲します。) 第2問(配点25点)  B社は現在、介護付きツアーにより、一度離反した顧客を再び顧客とすることに成功しつつある。現社長は次に、介護付きツアーの新規顧客獲得を目指している。そのためのコミュニケーション戦略として、SNSサイト上で介護付きツアーの画像や動画をプライバシー侵害のない範囲で旅行記として紹介している。しかし、要支援・要介護の高齢者本人にはあまり伝わっていないことが明らかになった。この状況を勘案し、 新規顧客獲得のための新たなコミュニケーション戦略 を100字以内で述べよ。

 

どこまで来たかというと、下記のとおり設問の制限文字数(100字以内)に文章を収めてみたところです。(青文字の部分)

SNS は高齢者本人には伝わらないので、 «オプション» ①旅行記を掲載したパンフレットを作成して直接手渡しし、 «オプション» ②SNSは家族向けに手直ししてB社ツアーに参加した顧客の喜びの声を掲載し、介護付きツアーの魅力を伝えていく。 (99文字)

少々前回までと重なる内容はございますが、「 設問の解釈 」・「解答候補の検討」という部分に重点を置いて説明し、後日触れる「 なぜ、どのように、文章を最終形にしていくか 」の過程とさせて頂きます。 では本題です。上記設問のうち 新規顧客獲得のための新たなコミュニケーション戦略 という部分はどう解釈・検討するか。 2つの «オプション» に分けて考えてみます。

 

- オプション ① - 戦略(上位):(そもそもろくに伝わらないのだから?)SNSはあきらめる なぜなら : いくらB社のコンテンツが魅力的であっても、高齢者本人がSNSを使わないなら「 検索して・見て・共有して 」もらうのは無理だから 名づけて: 鳴かぬなら殺してしまえホトトギス by Nobunaga (笑)  ではどうするか 戦略(下位) =「新たなコミュニケーション戦略」: SNSを活用しないで新たな別のやりかたを提案する 具体的には:SNS活用はあきらめてパンフレット等を直接手渡しする 名づけて: 既往はとがめず by Rongo

 

- オプション ② - 戦略(上位): SNSは活用するが、その方法は別のものを考える なぜなら : 高齢者本人に現状の経営資源(SNSサイト)を 活かして コミュニケーションがとれるなら、その方が中小企業の経営にやさしい提案ができそうだから 名づけて: 鳴かぬなら鳴かしてみしょうホトトギス by Hideyoshi  ではどうするか 戦略(下位) =「新たなコミュニケーション戦略」: SNSを別の方法で 活用して 魅力的な( とB社が考えている )コンテンツ、つまりはB社の強みたる経営資源である旅行記でツアーの魅力を伝えていく 具体的には : 家族や知人など、介護付きツアーの魅力を高齢者本人に伝えてくれる、あるいは購買意思決定に影響を与えると考えられる方に向けてSNSを手直しし、間接的にその魅力を伝えていく 名づけて: 将を射んと欲すれば先ず馬を射よ by Toho このことを裏付けるのは、「 高齢者本人 には あまり伝わっていない 」という設問の言い回しであり、暗に「 本人以外=たとえば家族や知人等ならOK 」ということをほのめかしている、あるいはそう受験生が判断し解答してもおかしくない表現だからです

 

では家康さん 一言どうぞ   わしの戦略 : 鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス 80分経過しました 筆記用具を置いてください   ・・・・・ (笑)

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