これは納得 !! 事例2 第2問 出題の趣旨を解説してみました。

平成26年度出題の趣旨

平成26年度 出題の趣旨(クリックして大きくなります)

 みなさんこんにちは!  本日、中小企業診断士試験、平成26年度 第2次試験合格発表がありました。晴れて合格された方、おめでとうございます。    さて、例年通り、合格発表とともに「出題の趣旨」が公表されました。ところが、今年の出題の趣旨は例年以上に踏み込んで(具体的に)示されている印象があります。正解が開示されないまでも、透明性、納得性が高まるのは良いことだと思います。    そこで、解答の方向性がわかりやすく示されている設問をひとつ例として解説してみました。  「 設問と趣旨 」 のより添い具合を確認してみて頂ければ幸いです。

 事例Ⅱ(マーケティング・流通)
  第2問 「出題の趣旨」と「本試験の設問」

 事例Ⅱ     — 出題の趣旨 —    第 2 問(配点 25 点)

①B 社が保有するコンテンツを活用し、新規顧客となり得る ②高齢者やその家族に対する③適切なメディアを通じたコミュニケーション活動を助言する能力を問う問題である。     — 本試験の設問 — 

第2問(配点25点)

 B社は現在、介護付きツアーにより、一度離反した顧客を再び顧客とすることに成功しつつある。現社長は次に、介護付きツアーの新規顧客獲得を目指している。③そのためのコミュニケーション戦略として、①SNSサイト上で介護付きツアーの画像や動画をプライバシー侵害のない範囲で旅行記として紹介している。しかし、要支援・要介護の②高齢者本人にはあまり伝わっていないことが明らかになった。この状況を勘案し、新規顧客獲得のための新たなコミュニケーション戦略を100字以内で述べよ。

 

「本試験の設問」と「出題の趣旨」
 から導き出される正解の方向性

 出題の趣旨で ①「B社が保有するコンテンツ」となっています。    あえて「コンテンツ」という文言を用いているところを見ると、今、サイト上に掲載されている「介護付きツアーの画像や動画」を示しているものと考えられます。  過去問で「コンテンツ」という用語は、平成17年事例ⅠのIT企業で「A社のサイトには・・・常に目新しいコンテンツ・・・」と用いられており、本年の出題の趣旨にある「コンテンツ」もおそらくWEBサイト上の掲載内容のことを指しているものと考えます。  そこで、「旅行記」はコンテンツとして解答上で活用すべきキーワードであったと考えます。  出題の趣旨で ②「高齢者やその家族に対する」となっています。    このため、高齢者本人と家族、両者に対するアプローチに触れるのが趣旨に、より添うことになりそうです。  出題の趣旨で ③「適切なメディアによるコミュニケーション戦略」となっています。    「適切なメディア」があるということは、「適切でないメディア」もあるということではないでしょうか。これはアプローチ(リーチ)する相手(ターゲット)によって適切なメディアを選択してください、というメッセージであると受けとれます。    よって、ここでは、SNSを無理に高齢者に普及するというよりは、「高齢者本人」にはコンテンツである「旅行記」をオフラインで何らかの形にして届け、一方、「高齢者本人ではない」介護・支援をする家族には、「SNS」を活用してアプローチをするという切り分けが求められているものと考えられます。    そうすれば、両者に対するアプローチが可能になりますし、せっかく構築した「B社が保有するコンテンツ」であるSNSサイトも無駄にせず、つまりは出題の趣旨に沿った形で 「 保有するコンテンツを活用 」 できます。    結果、高齢者やその家族、それぞれに対して「適切なメディアによるコミュニケーション活動」が実現することになります。

サクセスレッスンアトリエ(SLA)の解答例

サクセスレッスンアトリエ(SLA)の解答例は下記の通りです。こちらは、「出題の趣旨」掲示前に模範解答・解説会等でお渡しした内容ですが、趣旨により添う解答になっておりました。これが完璧であったということではなく、設問をよく読むと、この程度には「出題の趣旨に沿った解答」が導き出せる例とお考え頂ければ幸いです。

 

従業員を介護施設等にボランティアで派遣し、オフラインで高齢者に旅行記を提供し潜在ニーズを掘り起こす。SNSは家族向けに手直ししてB社ツアーに参加した顧客の喜びの声を掲載し介護付きツアーの魅力を伝えていく。

   
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