【財務会計】予想論点 「圧縮記帳」について
そろそろ試験でも問われそうな気がするので
「圧縮記帳」についてまとめました。
こうした細かな論点は、その問題が、解けても解けなくても心の準備をしておくだけで動揺を抑えられたりするものです。ということで。
「圧縮記帳」という言葉の意味合。
経済実態にはなんら違いはないけれども、会計上の帳簿への記帳の仕方について通常と違う処理をする、その特別な処理方法について命名されている。
「圧縮記帳」 を固定資産取得時に行う場合。
助成金等を利用して固定資産を購入した場合に、購入金額から助成金の額を差し引いた金額を購入価格とする処理。 計算式は、 固定資産の取得価額-助成金収入額 = 購入金額(固定資産として計上する )
「圧縮記帳」という会計処理をする理由。
助成金は、国や自治体などが期待する分野や目的に合った「企業の取り組み」に対し、その促進のために交付するものです。ところが、交付されたその助成金をその年度に特別な収益として計上してしまうと、収益の増加分に対応する税金がその年の会計年度に課税され、負担が大きいし、そもそも使えるキャッシュが減ってしまっては意味がない。それを緩和しようというもの。
「圧縮記帳」をしないと。
例として、1,000万円の助成金をもらってそのまま収益に計上すると、税率が40%ならその年に400万円の税金を支払うことになります。つまりは、実質600万円しか、助成金を固定資産の支出に活用できなくなります。これでは、わざわざ助成金を交付する意味が薄れてしまう、あるいは資金の乏しい中小企業では支払さえできなくなるかもしれません。
「圧縮記帳」は非課税措置ではなく、税の繰り延べである。
そのとおりになるか、条件設定をして、圧縮記帳をした場合としない場合にわけて 次回 お伝えします。
「圧縮記帳」は中小企業診断士試験に出題されるか。
平成25年2次試験事例4では、減価償却費に関する200%定率法が細かいながら目新しい論点として出題されました。 また、平成26年の事例1では、資金の乏しい小規模な製造業(研究開発型中小企業)に対する助成金が経営課題の解決策の一つとしてとして取り上げられました。 よって → 事例4で、細かい論点ながらその助成金の活用に関する会計、計算処理やそれ基づく意思決定が問われても唐突感がない「前振り」ができました。
なお、「圧縮記帳」のモデルケースとしてキャッシュフローや現在価値については次回 【財務会計】予想論点 「 圧縮記帳 」のモデルケース にて検証いたします。
下記、「ものづくり関係の助成金について」もよろしければご参照下さい。こうした助成金事業の推進という場面でも中小企業診断士の活用が期待されていると考えます。
ものづくり関係の助成金について
「平成27年度経済産業省関係予算案の概要」の中にある、下記事業
(1)中小企業・小規模事業者のイノベーションの推進
- 〇ものづくり・商業・サービス革新補助金 (1,020.4億円 26年度補正予算) 中小企業の革新的な設備投資やサービス開発・試作品の開発を支援。共同体で行う設備投資等を対象に追加する。
- 〇革新的ものづくり産業創出連携促進事業 (128.7 億円 27年度新規予算) 中小ものづくり高度化法に基づく特定ものづくり基盤技術に「デザイン開発技術」を加え、中小企業が産学官連携して行う技術開発等を支援する。また、中小企業が大企業や大学等の知見を活用して行う研究開発も支援する。
※このように経済産業省の平成27年度予算案で、ものづくり関連の支援策には重点的な予算が組まれております。またこの「中小企業・小規模事業者のイノベーションの推進」は中小企業診断士2次試験平成26年事例Ⅰの企業の取り組みとも重なる内容です。
その他「圧縮記帳」について参考にしたサイト等
「圧縮記帳」について
- 会計ドットコムQ&A 補助金を受け取った場合の圧縮記帳とは何ですか?
- ウイキペディア 圧縮記帳
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