職業別 !! 合格率と順位表つくりました。 統計資料のまとめ(その6)
中小企業診断士試験の職業(勤務先区分)別の合格率(10年分)をまとめました。
こちらでも有意差が見られます。 この資料がこのブログをお読みの受験生にとってお役立てば幸いです。
- 1)1次試験 職業(勤務先)別 合格率と順位表
- 2)2次試験 職業(勤務先)別 合格率と順位表
- 3)1・2次通算 職業(勤務先)別 合格率と順位表
- 4)参考資料(1次、2次、通算 職業(勤務先)別 合格率10年間の推移)
< 今回まとめたこと >
※各画像はクリックすると拡大表示されます。 ※合格率の算出は申込者数に対する合格者数です。 (診断協会公表の資料に合わせております)
1)1次試験 勤務先区分別 合格率
合格率の高い順に並べ替えます。
— 数値ピックアップ — 1次試験 10年合計の全体平均 合格率 15.7% に対して、 1位:政府系金融機関勤務 21.6% (平均+5.9%) 2位:税理士・公認会計士等自営業 18.8% (平均+3.1%) 3位:公務員 18.1% (平均+2.3%) 残念ながら、学生の方は 10.4% と低くなっています。 < 参考までに > 受験者数が一番多いのは民間企業勤務で(構成比 61.4%)、 次いで、政府系以外の金融機関勤務 (構成比 10.2%) です。 2つの職業、いわゆる一般的なサラリーマンと考えられる方、 の割合が 7割 を超えています。
— コメント — 上位職業の合格率が高い要因を考えてみます。 特に1次試験はたくさんの知識を一時的に詰め込まなければなりません。 その中でも財務・会計は、暗記だけではなく理解と習熟が必要であり、 勉強時間に多くの時間を費やす科目です。 この科目について一日の長がある 1位、2位の職業の方は、 その分他の受験生より有利なのではないでしょうか。 また、3位は公務員の方です。 科目として理解が必要でかつ難解な経済学や経営法務、 その他公務員試験で求められる広く浅い知識の内容が1次試験と重なり、 その分有利なのかもしれません。 といっても上位3つの職業の合格者数の構成比は全体の7.4%に過ぎません。
2)2次試験 勤務先区分別 合格率
合格率の高い順に並べ替えます。
— 数値ピックアップ — 2次試験 10年合計の全体平均 合格率 19.9% に対して、 1位:政府系金融機関勤務 28.5% (平均+8.6%) 2位:税理士・公認会計士等自営業 25.8% (平均+5.9%) 3位:経営コンサルタント事業所等勤務 24.2% (平均+4.4%) 学生は 16.4%、その他(無職を含む)の方は 14.2% と低くなっています。
— コメント — 2次試験は、1次試験以上に、上位と下位のばらつきが大きい印象です。 上位3つの職業を見ると、実務で現実の中小企業と経営面で接したり、 実際コンサルティング業務をしていることが要因で、 2次試験の合格に結びついていると感じさせます。 こうした特徴が出るということは、それだけ 2次試験が現実に則した出題をしているというあかしではないでしょうか。 裏を返せばその試験に受かるということは、実務の場面でも、 つまりは経営のサポートやコンサルティングで役に立つ ということがいえそうです。 また、試験委員の立場や採点基準を推し量っても、 そうあるべきと考えられているはずです。 したがって、この試験に合格するための勉強は、 上位3つの職業でない大半の方にとっても、 現在の業務の中で深められている専門的な知識や経験が生かせる 有用な試験であり資格です。 そうした価値を再確認すれば、より頑張り甲斐もあるというものです。
3)1次・2次試験 通算 勤務先区分別 合格率
合格率の高い順に並べ替えます。
— 数値ピックアップ — 1・2次試験通算で 10年合計の全体平均 合格率4.9%です。 上位1位~3位は2次試験で強みを発揮した3つの職業であり、 4位は1次試験で強みを発揮した公務員です。 5~6位は先述のいわゆる一般的なサラリーマンです。 上位6つの職業までが、 1次・2次試験通算で平均以上の合格率です。
— コメント — 100人 受けても 8.5人 しか受からない政府系金融機関勤務の方 100人 受けて 2.4人 しか受からない学生の方 いづれにしても骨の折れる試験ではあります。
4)参考資料
1次・2次・通算 職業別 合格率10年間の推移グラフ
以下は、上記資料の基となる勤務先区分別の合格率と年度別推移です。 所属されている職業の合格率などをご覧になってはいかがでしょうか。