「白書100本ノック!!!」 株式会社第一寶亭留 2025/6/7 出題

(2025/6/7出題)

2024年版「中小企業白書」(中小企業庁) 第2部 第3章 事例2-3-1 を加工して作成

【設問】事例を読み、以下の設問の回答をコメント欄にて送信してください。

A社がバブル崩壊後でも事業拡大できた要因はどのような点にあると考えられるか。100字で述べよ 

【事例】株式会社第一寶亭留

所在地  北海道札幌市 従業員数 290名 資本金  1,000万円 事業内容 宿泊業

明確なコンセプトを定め、顧客満足度を高めて高付加価値化を実現した企業

北海道B市のA株式会社は、同市随一の温泉観光地 帝山景 に本拠を置き、「帝山景 第一亭」(1957 年創業)のほか、道内9か所(直営9施設+指定管理1施設)で宿泊施設を運営する企業である。バブル崩壊以降、観光業界では団体客の急速な減少が続いたが、北海道では関東や関西に比べて高級志向・高単価の宿泊施設が少なかったことに着目し、客室を温泉付きに改装することで、高級志向のブランディングに着手。ほかにも、女性限定宿や食に特化した宿など顧客ターゲットを絞った特色ある宿づくりによる差別化と高付加価値化で事業を拡大している。

同社は、2017 年に「華の山」、2019 年に「旅籠屋 祭」、2023 年に「磨羅我」と、直近で3つの宿を開業した。新しい宿づくりに際し、同社の袋町社長は、自社の強みと弱みを的確に把握し、「必ずしも客にとって価値のないものは排除する」ことで経営資源を最大限活用、稼働率が大幅に低下しても黒字化できるように事前に損益を試算している。そして、「どのようなシーンでその宿を使ってもらいたいか」、提供したいシーンを明確化し、社員とともに演出の詳細なシミュレーションを数か月間にわたって繰り返して、各宿のコンセプトを練り上げた。

例えば「華の山」では、「食」に特化し優秀な調理人を多く抱えていた一方、配膳スタッフが不足しているという経営課題を踏まえ、食事席とオープンな厨房を一体化してフロント近くに設置。フロントと配膳はスタッフを兼務させることで、限られた人的資源の中で「最上の食体験」の提供を実現。

また、「焼肉と酒を楽しむ」をコンセプトとした「旅籠屋 祭」は、ターゲットである若年層が、きめ細かな対面の接客ニーズが高くないことに注目。夕食はコース1種類に絞って焼き方の説明書を付け、飲み物は豪華な品ぞろえで並べ方にもこだわったセルフサービスとすることで、「自分たちでやる楽しさ」を演出した。

高単価戦略の下、高いリピート率などを背景に感染症を乗り越えた。足下でも、宿づくりの工夫により顧客満足度を高めるサービス・演出による高付加価値化と人手不足への対応を両立し、成長を続けている。その中で、今後の展開に向けて力を入れているのが帝山景エリアの活性化事業だ。2022 年に全面開業した複合施設「YGK」では、もなか、ジェラート、洋菓子、パン、カレーといった飲食店を数年前から続々とオープン。日帰り客からの人気も高く、2020 年に開業したかき氷店「森乃百日氷」では、一時8時間待ちの行列ができた。「帝山景という地域全体の活性化に貢献しながら、リピーターだけでなく新しいお客様と出会うきっかけを増やしていきたい」と袋町社長は語る。

【設問回答】フォーム

なお、ディスカッション会を予定しております。後日、投稿にてご連絡いたします。白書100本ノック交流ポリシーは こちら より

ご回答は、下記のコメント欄に指定文字数100文字以内でご記載ください。

   

  1. きりん より:

    要因は、①温泉付き客室など、高級志向・高単価設定の宿泊施設として付加価値を高め、②女性限定宿や食に特化するなど標的顧客を絞って特色を打ち出して他社との差別化を図ることでブランドを確立したことである。

タイトルとURLをコピーしました