2025年版「中小企業白書」(中小企業庁) 第2部 第1章 事例2-1-10を加工して作成
【設問】事例を読み、以下の設問の回答をコメント欄にて送信してください。
1. 4代目のA社長が入社時から持っていた問題意識は何か。100字以内で述べよ。
【事例】マツモトプレシジョン株式会社
所在地福島県喜多方市、従業員数 143名、資本金7,000万円、事業内容 金属製品製造業
福島県喜多方市のマツモトプレシジョン株式会社は、金属材料の調達から切削・研削加工・熱処理などを一貫して行っている企業である。空気圧制御部品を主力とし、自動車や半導体製造装置をエンドユーザーに持つ、1948年創立の老舗企業だ。松本敏忠社長は創業家である松本家の娘婿として2014年に入社し、2017年に4代目社長に就任した。松本社長は入社直後から、人口約4万人の喜多方市に所在する同社にとって、将来にわたって安定的に人材を確保することへの強い課題意識を持っていた。「会社を持続可能なものにするには、人材から選ばれる会社にならなくてはならない。そのためには賃上げなどの待遇改善が重要だ」という考えから、「地域社会に認められるリーディング・カンパニーを目指す」というビジョンを新たに掲げ、DXによる生産性向上とGXによるSDGs対応を同時に進め、賃上げ原資を確保するための「稼ぐ力」の強化に大胆に取り組んだ。
生産性の面では、同社の前近代的であった生産現場を抜本から見直した。松本社長の就任当時は、ベテラン社員による経験値で原価管理がなされており、松本社長は「いわゆる『どんぶり勘定』だった。データがなく、人によって利益の評価が異なっていた」と振り返る。さらに、工場では作業進捗を手書きで管理するなど、業務のうち約2割が製造以外の事務作業に費やされていたという。松本社長は、製品ごとの原価を正しく把握した上で無駄を省いて生産性を高めるべく、2018年に製造原価のデータベース化構想を経営方針会議で打ち出し、全社を巻き込んで業務の棚卸しに取り組んだ。2021年、地元企業・大学・大手IT企業が共に開発した中小企業向けの基幹統合システムプラットフォーム(CMEs)を、同社が第1号としてサブスクリプション型で導入。製品ごとの原価把握が可能になり、低採算事業を中心に生産品目を約半減させ、高採算事業にリソースを集中する体制に舵を切った。さらに、約50台の設備を省力化設備に刷新するとともに、作業進捗をタブレット端末で管理することで時間の掛かっていた手書き作業を削減するなど、製造現場の改善にも取り組んできた。こうした事業承継を契機とする大変革も、賃上げという目的を明確にしたことで既存従業員からの目立った反発はなく全社一丸で推進することができたという。また、GXでは、2021年に自家消費型PPA(電力販売契約)で東北地方最大規模のソーラーカーポートを設置し、100%再生可能エネルギーで賄う工場を実現。2024年にはCMEsとの連携で製品別のCO2排出量を示すカーボンフットプリントも算出可能な体制にまでなっている。
会社を一から作り直す覚悟で挑んだ生産性向上策の効果が表れ、松本社長の就任時と比べ、足下の利益率は3割近く上昇した。2022年度は全従業員を対象に4%のベースアップを実施し、その後も賃上げを継続することで、生産性向上で生じた利益を従業員へ還元。結果として採用増加や定着率向上にもつながっている。さらに、GXの取組は特に大手企業からの評価が高く、新たな引き合いも増加しているという。今後はロボット等による工場自動化を進め、「ザ・サステナブルファクトリー」を目指す方針だ。「生産性改善やGXは手段だ。地域やユーザーから選ばれる会社になる。その目的のために必要な取組を継続していくことが大切だ」と松本社長は語る。
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問題意識は会社の存続危機を感じたこと。具体的には生産性や利益率の低さにより社員に還元できず、定着率が低く採用も少ない。社内外で認められる魅力のある会社とし、持続的な会社を目指す必要性を感じたこと。
なるほど。会社の存続危機と広くとらえられたのですね。この次に来る問題文が何か判りませんが、本試験なら次以降の問題に繋げられる解答だと感じました。
私は、久しぶりにハーズバーグを軸に、少しマズローを混ぜた感じで作っています。
問題意識は、持続可能な会社とするために将来に渡り安定的に人材を確保する難しさである。人材に選ばれるには、賃上げ等の衛生要因を充足し、地域社会から承認され従業員が動機づけられる必要があると感じていた。
ありがとうございます。
会社を一から作り直すなど内部の抜本的改善をされていましたので、会社が傾きかけているのかな、と与件文に無い推測をしてしまいました。。
きりんさんのように知識に紐づけて回答できるようにしなければいけないなとしみじみ感じます。