(2025/5/10出題)
2024年版「中小企業白書」(中小企業庁) 第2部 第1章 事例2-1-6 を加工して作成
【設問】事例を読み、以下の設問の回答をコメント欄にて送信してください。
事例Ⅰの観点を念頭に以下の設問に答えよ。
Ⅰ-②:H社社長が省力化に取り組む理由は何か、100字以内で述べよ。
【事例】株式会社ホリ・コーポレーション
・所 在 地 山形県酒田市 / 従業員数 27 名 / 資 本 金 1,300 万円/ 事業内容 各種商品小売業
H社は、自動車用タイヤとホイール、自動車関連商品の小売業を営む企業である。タイヤはカーディーラーや量販店、専門店など様々な場所で購入できるが、その中でも自ら専門店でタイヤを選ぶような車好きの消費者層をターゲットに、車や使用状況に合わせた適切なタイヤ等を提案するきめ細かい顧客対応を強みとしている。同社の社長は、EC 市場が広がる中で、タイヤも例外ではないとの考えからいち早くEC 展開に着手し、 2000 年に自社EC サイト「タイヤ1番」を立ち上げた。同サイトでは、専門知識を持つ販売員による相談体制を整えている他、ガソリンスタンドや自動車整備工場といった全国の「取付け協力店」(約4,000 店)と連携し、商品を購入者が指定した協力店に送り、購入者自身の取付け店を探す手間を省くサービスを展開している点が特徴である。当初は月間100 万円程度の売上げだったが、現在では年間30 億円超と、総売上額の約9割を占める主力販路に成長した。
同社のEC サイト売上が急拡大した2016 年の冬、増加する受注に対して発送作業が追いつかない事態が発生したが、これに対してH社長は工程の省力化に迅速に取り組んだ。翌2017 年にはシステムエンジニアを1名採用、商品のバーコードを読み取って送り状を自動印刷する自社システムを開発した。これにより、十数人で一つ一つ目視確認をしていた送り状の確認作業が一人で済み、同時に誤発送件数も激減。浮いたマンパワーは顧客対応の強化に回すことができた。他にも、ボトルネックであった梱包作業を自動化する機械の導入や、注文内容によって最適な運送会社を自動判別するシステムの構築など、工程内の単純作業を次々と省力化してきた。H社長は「電話やメールを介してであっても、お客様と販売店の担当者が直接やり取りする、『人によるサービス』がビジネスの基本」と考え、省力化を進めることで同社の強みである顧客対応力の磨き上げに注力している。
これらの工程の省力化は、従業員の声が検討の発端となったものが多い。現場の課題を拾い上げ、省力化投資による的確な業務効率化を実現していくやり方が、従業員のモチベーション向上や従業員満足度の向上につながり、高い定着率を実現している。将来を見据えた大規模なシステム投資を予定するなど、引き続き省力化を進める中、H社長が重点的に取り組んでいることは、サービスの質を更に向上させるための人材育成だ。足下ではM社と協力して独自の研修用動画コンテンツを制作し、WEB 講習などの形で従業員が空いた時間で自主的に学べる仕組み「H・アカデミー」を導入した。「省力化により業務が簡素になった分、特に若手においては本来細部までしっかり覚えることが望ましい知識が身に付かず、応用までできる人材が減っていると感じる。求められるスキルを見える化することで、従業員が自主的にスキルを高めるための仕組みを構築し、当社の強みである顧客対応を更に強化していきたい」とH社長は語る。
【設問回答】フォーム
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