(2024/11/23出題)
2024年版「中小企業白書」(中小企業庁) 第4章 事例1-4-1 を加工して作成
【設問】事例を読み、以下の設問の回答をコメント欄にて送信してください。
①当社がエルダー制度を取り入れてきた理由を100字で述べよ。
【事例】株式会社ホテル松本楼
・従業員数:118 名 ・資本金:1,000 万円 ・事業内容:宿泊業
•群馬県渋川市の株式会社ホテル松本楼は、同県中部の伊香保温泉で温泉旅館を経営する企業である。都内の西洋料理店をルーツに持つ同社は、温泉地への社員旅行の需要が拡大した1964年に「ホテル松本楼」を創業。1997年に洋風旅館「ぴのん」を開業、個人客重視に舵を切った。2016年に松本光男社長とおかみの松本由起氏が経営を引き継いだ後、マルチタスク化など新たな経営方針への反発から、全社員85名中30名が辞めてしまう経営の危機に見舞われる。その後、松本社長と由起氏は「人は宝」という理念を掲げ、一人の新人に一人の教育役を付けるエルダー制度や、従業員の家族を招待するファミリーデイズ企画に取り組み、従業員との信頼関係を構築、新卒採用・定着につなげてきた。そうした中で、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が同社の経営にも深刻な打撃を与えた。松本社長と由起氏は「従業員の安心を提供することが経営者の役目」と考え、従業員の解雇や休職・減給は一切行わず、事業変革の様々な取組を行った。
•感染症対策のために地元の学校が休校となった2020年3月、同社は子供を持つ従業員のために学童保育を始めた。緊急事態宣言が発令された後には、従業員の希望を踏まえて多種多様な勉強会を企画。「松本楼学校」を2か月間開き、伊香保の歴史やラッピング、手話などを学ぶ機会を設けた。特に、以前から由起氏が関心を持っていたSDGs(持続可能な開発目標)に関しては、休業期間中に従業員が宿泊客になりきり、食品ロスの計測、削減に取り組んだ。これらの取組には、雇用調整助成金を活用、研修加算も受けている。感染症対策では、ストレスフリー補助金を活用して全客室にタブレット端末を設置、宿泊客が部屋から浴場の混雑状況の確認や飲料などの注文ができるようにするとともに、自動チェックアウト機の導入で金額間違いもなくした。また、感染拡大以降に生じた巣ごもり需要に目を付け、事業再構築補助金を活用して地域内初のパン店「伊香保ベーカリー」を立ち上げ、0.5斤の食パンや、パン製造の設備をいかしたプリンなど、顧客ニーズに即した幅広い商品を展開し、業績を拡大した。さらに、廃業ホテルの建物を改修し、犬と泊まれる宿を開業した。
•タブレット導入などの取組は、従業員の負担軽減・勤務環境改善だけでなく、サービスの質の向上につながり、顧客満足度向上やリピーター増加に貢献。多角化した事業も数年の投資期間を経て業績回復に寄与しており、現在では総売上高が感染拡大前の水準まで回復、黒字転換を実現した。その成果を従業員に決算賞与や社員旅行として還元しており、従業員満足度の向上につながっている。「不安だからこそ挑戦して、楽しみながら生まれ変わることができる企業風土が今の成長につながっている。社員がお客様を満足させ、さらに地域の活性化につなげていきたい」と、松本社長、由起氏は語る。
【設問回答】フォーム
なお、ディスカッション会を予定しております。後日、投稿にてご連絡いたします。ご希望の方はお気軽にお申込みください。白書100本ノック交流ポリシーは こちら より
ご回答は、下記のコメント欄に指定文字数100文字以内でご記載ください。
理由は、「人は宝」の理念に基づき①新人と教育係の関係性を深めて従業員満足度向上を図り、②従業員の接客品質を上げて個人客の顧客満足向上を図ったことにより、従業員・顧客共にロイヤルティの向上に繋げるため。