(2024/11/13 出題)
2024年版「中小企業白書」(中小企業庁) 第4章 事例1-4-1 を加工して作成
【設問】事例を読み、以下の設問の回答をコメント欄にて送信してください。
②当社の今後の戦略について、100字以内で述べよ
【事例】株式会社森清化工
・従業員数:150 名 ・資本金:5,000 万円 ・事業内容:ゴム製品製造業
•東京都墨田区の株式会社森清化工は、機械や配管で流体(気体や液体)を密封するために使用される環状のゴム 製部品「Oリング」を専業で製造する企業である。東京都と千葉県匝瑳市に工場を置き、汎用素材の量産品から高 機能・特殊素材製品まで、10 万種以上の多品種のOリングを生産、「高品質、品揃え、即納」を経営方針に、幅広い業種・規模の顧客企業に供給している。製造技術者を中心に人手不足が深刻化する中、同社の毛利栄希社長は、 製造現場と販売管理の両面において積極的な設備投資を続けることで、業務の標準化や自動化を進めて生産性の 向上を図るとともに、勤務形態の多様化や賃上げを行うことで、働きやすい職場環境づくりに取り組んできた。
•勤務形態別に業務を細分化して人材を確保 製造工程での設備投資で重点を置いたのが自動検査装置の導入だ。同社は、年間約2億個ものOリングを生産 しており、その品質保持のために全数検査を実施している。検査には熟練した技術や経験が必要となるが、人だけ に頼る検査体制では処理能力に限界があることから、自動検査装置に製品検査工程の6割をカバーさせる省力化 を通じて品質の安定化を図り、製品の付加価値を向上させるとともに、人手不足による生産制約を解消した。さら に、EDI(電子データ交換)を活用した販売管理システムの構築にも投資を行った。納期や製品在庫の管理、見積りや請求・納品書の作成といった煩雑な業務を EDI システムで簡素化・標準化することで、属人化しやすい作業 を誰もが短時間で完遂できる環境を整えた。こうした積極的な設備投資による業務負荷軽減の取組と合わせて、 人材確保の方策として、営業、総務、製造の部門ごとに、フルタイムやフレックス、特定時間帯といった勤務形態 別の業務の細分化を行い、営業部門などを中心に、なるべく女性が働きやすい業務を増やしていった。その結果、 現在では全社員の過半数を女性が占め、営業センターでは約7割に上っている。
•同社では独自の経営手法として、EDI システムに蓄積される膨大な販売データを活用し、顧客ニーズが高いOリ ングの品種の把握や、製品ごとの在庫水準の評価を定期的に行った上で、一定の在庫をあえて抱える「計画生産」 を実施している。これにより、必要な部品を小ロットでも低価格、短納期で顧客に届けられる。こうした他社に代替できない利便性を提供することで、「自社のブランディングを高めて、高収益が維持できている」(毛利社長)と いう。自動検査装置の導入に伴う付加価値向上の効果は、継続的な賃上げを通じて社員に還元しているほか、毎年の賞与は、夏冬のほかに決算賞与を合わせた年間計3回を支給し、社員の意欲向上や人材定着にいかしている。今 後は、地政学リスクの高まりに対する顧客企業の動きに関心を向けており、「顧客ニーズに共通しているのは海外依存からの脱却。少しずつだが国内生産・開発拠点の強化が進んでおり、当社の強みをいかして多くのニーズに応えられるよう努力したい」と毛利社長は語る。
【設問回答】フォーム
なお、ディスカッション会を予定しております。後日、投稿にてご連絡いたします。ご希望の方はお気軽にお申込みください。白書100本ノック交流ポリシーは こちら より
ご回答は、下記のコメント欄に指定文字数100文字以内でご記載ください。
A社の戦略は、蓄積した販売データの活用による「計画生産」を推進し、必要な部品を小ロット・低価格・短納期で顧客に届ける強みを磨き、顧客の海外依存脱却・生産開発の国内回帰に伴うニーズに対応することである。
戦略は、顧客の海外依存脱却の動きを踏まえた国内生産・開発拠点の充実や高品質な製品を小ロット・低価格で提供できる強みの活用で多様な顧客ニーズに対応すること。社員に利益を還元し意欲向上や人材定着に生かす。(100字)
今後の戦略は、高品質、品揃え、即納という自社の強みを活かして他社に代替できない利便性を提供することで、①自社のブランディングを高め差別化・高付加価値化、②海外依存からの脱却という顧客ニーズを捉え売上増。