(2024/10/19 出題)
2024年版「中小企業白書」(中小企業庁) 第4章 事例1-4-1 を加工して作成
【設問】事例を読み、以下の設問の回答をコメント欄にて送信してください。
①当社は、なぜ積極的に設備投資を実施したのか、理由を100字以内で述べよ。
【事例】株式会社森清化工
・従業員数:150 名 ・資本金:5,000 万円 ・事業内容:ゴム製品製造業
•東京都墨田区の株式会社森清化工は、機械や配管で流体(気体や液体)を密封するために使用される環状のゴム 製部品「Oリング」を専業で製造する企業である。東京都と千葉県匝瑳市に工場を置き、汎用素材の量産品から高 機能・特殊素材製品まで、10 万種以上の多品種のOリングを生産、「高品質、品揃え、即納」を経営方針に、幅広い業種・規模の顧客企業に供給している。製造技術者を中心に人手不足が深刻化する中、同社の毛利栄希社長は、 製造現場と販売管理の両面において積極的な設備投資を続けることで、業務の標準化や自動化を進めて生産性の 向上を図るとともに、勤務形態の多様化や賃上げを行うことで、働きやすい職場環境づくりに取り組んできた。
•勤務形態別に業務を細分化して人材を確保 製造工程での設備投資で重点を置いたのが自動検査装置の導入だ。同社は、年間約2億個ものOリングを生産 しており、その品質保持のために全数検査を実施している。検査には熟練した技術や経験が必要となるが、人だけ に頼る検査体制では処理能力に限界があることから、自動検査装置に製品検査工程の6割をカバーさせる省力化 を通じて品質の安定化を図り、製品の付加価値を向上させるとともに、人手不足による生産制約を解消した。さら に、EDI(電子データ交換)を活用した販売管理システムの構築にも投資を行った。納期や製品在庫の管理、見積りや請求・納品書の作成といった煩雑な業務を EDI システムで簡素化・標準化することで、属人化しやすい作業 を誰もが短時間で完遂できる環境を整えた。こうした積極的な設備投資による業務負荷軽減の取組と合わせて、 人材確保の方策として、営業、総務、製造の部門ごとに、フルタイムやフレックス、特定時間帯といった勤務形態 別の業務の細分化を行い、営業部門などを中心に、なるべく女性が働きやすい業務を増やしていった。その結果、 現在では全社員の過半数を女性が占め、営業センターでは約7割に上っている。
•同社では独自の経営手法として、EDI システムに蓄積される膨大な販売データを活用し、顧客ニーズが高いOリ ングの品種の把握や、製品ごとの在庫水準の評価を定期的に行った上で、一定の在庫をあえて抱える「計画生産」 を実施している。これにより、必要な部品を小ロットでも低価格、短納期で顧客に届けられる。こうした他社に代替できない利便性を提供することで、「自社のブランディングを高めて、高収益が維持できている」(毛利社長)と いう。自動検査装置の導入に伴う付加価値向上の効果は、継続的な賃上げを通じて社員に還元しているほか、毎年の賞与は、夏冬のほかに決算賞与を合わせた年間計3回を支給し、社員の意欲向上や人材定着にいかしている。今 後は、地政学リスクの高まりに対する顧客企業の動きに関心を向けており、「顧客ニーズに共通しているのは海外依存からの脱却。少しずつだが国内生産・開発拠点の強化が進んでおり、当社の強みをいかして多くのニーズに応えられるよう努力したい」と毛利社長は語る。
【設問回答】フォーム
なお、後日、ディスカッション会を行います。ご希望の方はお気軽にお申込みください。
白書100本ノック交流ポリシーは こちら より
ご回答は、下記のコメント欄に指定文字数100文字以内でご記載ください。
A社は、設備投資を通じ①業務の標準化や自動化することで生産性向上と製品の付加価値向上を図った。②誰もが短時間で完遂できる環境で勤務形態を多様化し働きやすい職場に変え従業員定着化とモラールの向上を図った。
積極的な設備投資は、限られた人員で全数検査による品質確保と省力化、属人化し易い販売管理作業の簡素化と標準化、併せて勤務形態を多様化することで原価低減し、予想される需要の拡大に対応していくためである。
①検査工程の自動化による省略化と品質安定化、②EDI 導入による生産管理と各社文書作成の
簡素化、標準化及び計画生産の実現を図るため。以上より低価格、短納期で製品を届けるとい
うポジションを早期に確保した。(100)
理由は、人手不足が深刻化する中、①熟練作業の標準化・省力化による品質安定化と生産能力向上②販売管理業務の簡素化・標準化による脱属人化と多様な人材確保③販売データ活用による高収益化を実現するため。
理由は、①重点を置く自動検査装置導入で省力化、品質の安定化、付加価値の向上、②EDIを販売管理に活用し、業務の標準化、顧客への利便性の向上、を図ることで人手不足に対応しながら競争力を維持する為である。
理由は、人手不足が深刻化する中、①標準化や自動化による生産性向上で生産制約を解消、②省力化による品質の安定化で製品の付加価値を向上、③業務負荷軽減や付加価値向上による持続的な賃上げで人材確保、するため。